btob-ecの市場規模が急拡大!圧倒的スピードで拡張する理由は?

メーカーの卸売などの企業間取引で、ECサイトを利用する「btob-ec」の市場規模が急激に拡大し続けています。業務のec化に未着手の企業の経営者や販売管理者の人でなくとも、btob-ecの実体が気になることでしょう。btob-ec市場の急成長の理由はどこにあるのか。本記事では、btob-ecの市場規模が右肩上がりに拡大の一途をたどっている本当の理由とbtob-ec市場の裏側にある背景について詳しく解説していきます。

1.btob-ecの市場規模はbtocよりもはるかに巨大

btob-ecの市場規模がbtocよりも大きく上回ることを知っていますか。経済産業省が令和2年7月に発表した、令和元年度の電子商取引(エレクトリックコマース)の市場調査に関する報告書によれば、日本国内におけるbtob-ecの市場規模は、なんと352兆9620億円にも上っています。さらに、商取引市場におけるec市場の割合を示す「ec化率」にいたっては、前年より1.5ポイント増加の31.7%と、全商取引金額の3割を超える勢いを見せているのです。

一方で、btoc-ecの同年の同調査での市場規模は、19兆3609億円で、ec化率は6.76%となります。通常ecといえば、楽天市場やAmazonなどの大手インターネットショップに代表されるようなオンラインショップが一般消費者に対して商品やサービスを売るイメージが強いでしょう。しかし、実際は、法人が法人向けにサービス提供しているecの市場規模が圧倒的に大きく、個人向けecの市場規模の約18倍という大きさで拡大しています。

ただし、ec化率は業種によって差が大きくなっており、特に製造業のec化が進んでいるという特徴がみられます。また、製造業は扱う品物の種類によって単価の差が大きい傾向があります。

2.市場規模が急拡大する4つの背景

本段落では、btob-ecの市場規模が右肩上がりで拡大し続けている背景に、何があるのかを解説していきましょう。

2-1.アナログ業務にec化の余地

btob-ec市場が拡大し続ける理由の一つとして、アナログ業務にec化の余地があったことが挙げられます。なぜなら、日本におけるbtobの取引は、電話やFAXでのやり取りや企業への直接訪問など、昭和の時代から延々と続くアナログな手法が中心であるからです。それは、市場規模が3割を超えたといっても、残りの7割弱がec化されていないことからも明らかでしょう。現代では、インターネットやパソコン、スマートフォンなど情報技術の発達で環境が整ってきたことにより、ec化する企業が増えてきたといえます。

特に業務の中では、アナログベースで行われてきた受発注業務や請求書発行業務などで改善の余地が多く、業務改善に頭を悩ます部分にぴったりとec化がはまったというのが大きいでしょう。しかし、急拡大といっても、1年で一気に増加したわけではなく、数年にわたって毎年同様の割合で増加しているという傾向があります。このようなじわじわと拡大してきた流れは、日本人の企業特有のものでしょう。それは、他社の動向を見てから、好調であれば自社でも導入しようという、周りに合わせようとする日本人の姿勢がもたらした結果といえます。

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2-2.働き方改革による後押し

2019年4月から施行が始まった「働き方改革」によって後押しされたこともbtob-ecの市場規模が拡大し続ける大きな理由となっています。特に、働き方改革で提言されている中で、btob-ecの成長に大きく関係している箇所は、「長時間労働の是正」に関する部分です。厚生労働省が企業に対して、働き方改革の中で求めているものは、生産性向上への取り組みや就業環境の改善などが挙げられます。具体的な意味としては、「少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少」「育児や介護との両立など、働く方のニーズの多様化」といった課題を解決することです。

よって、生産年齢人口が減り続けているにもかかわらず、日常業務をこなすだけで手いっぱいという状況の企業は、今後業務が正常に機能しなくなる危険性をはらんでいるといえるでしょう。すなわち、無駄に手間がかかっている業務を見直して、効率的に業務を遂行できるように改善する必要が出てきたわけです。結果として、余剰な人的経費をかけていた部署からデジタル化が進められました。電話やFAXで何度もやり取りしていた受発注業務や多量な書類に振り回された請求書発行業務、入金確認にかけた一連の業務などは、人間の手間が多くかけられていたため、ec化の効果が出やすかったといえるでしょう。

2-3.itインフラの整備とデバイスの普及

itインフラの整備やデバイスの普及も、btob-ec市場が大きく育つ理由になります。インターネット環境は都市部だけではなく、全国的に広がりました。大企業だけではなく地方都市の零細企業においても難なくインターネットを利用できる状況が整えられたことにより、インターネットを利用した同様のビジネスモデルが全国どこでも使えることになったことが、市場の拡大を促しました。

さらにマルチデバイス化によって、パソコンを使用できない人はスマートフォンというように、より多くの人が容易にシステムに接続し、多くの業務をこなせるようになってきているのです。

2-4.日本のbtob独特の商習慣に対応

日本特有の商習慣に対応して、独自のシステムが誕生したこともbtob-ecの成長に貢献しました。日本における企業間取引では、同じ商品を売る場合でも、各取引先によっては取引実績ごとに販売価格に差をつけることがよく見られます。また、btocのようにすべての顧客にすべての商品を見せるのではなく、顧客の信用度に応じて、見せる商品の範囲が異なる場合もあります。

よって、ecシステムにも自由度が要求されるのです。同様に決済方法も取引先との信用関係によっては、種類が異なるでしょう。それは、長く取引が続いている企業ほど、よい条件で取引できるというものです。日本特有の商習慣があったため、システムも独自に開発する必要がありました。結果として、btob-ecのアプリやシステムが汎用的に進化したため、中小企業でも導入しやすくなり、市場規模が拡大したといえるでしょう。

3.波に乗り遅れた企業には大きなデメリットが!

こうして、btobのec化が拡大し続ける現代においては、ec化の波に乗り遅れることが企業にとって大きなデメリットになるかもしれません。btobのec化が進まなければ、非効率な業務フローを継続することでしょう。その場合、取引先によってec化の進んだ他社と比較されたら、どうなりますか。取引先企業が取引において手間がかかることに不満を感じた場合、他社へと離れていってしまうかもしれません。さらに、社外だけではなく社内においても、問題があります。たとえば、非効率な手作業が大量に発生していることが原因で、長時間労働により社員が疲弊し、優秀な社員が他社に移ってしまうかもしれません。そうなれば、業務の非効率化の悪循環が進んでしまいます。

インターネットにおける取引は、実際に移動できる範囲だけではなく、業種によっては、日本全国、世界へと商圏を拡大することが可能です。よって、取引対象の数も桁外れに多くなり、売上の拡大も見込めるでしょう。ec化への手をこまねいていることで、みすみす大きな利益を逃してしまうことにもなりかねません。ウィズコロナ、アフターコロナの時代では、営業手法も変化しています。直接企業訪問する機会も減少しているため、ec化による顧客データを有効活用した効果的な営業手法が求められているといえるでしょう。

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4.btob-ecの導入を成功させるには

さて、ecを導入するだけで、成功が約束されるでしょうか。btob-ecにおいて成功するポイントについて説明します。ec化した販促活動も、取引先のケアをせず放置したままでは売上を確保することは難しいでしょう。なぜなら、他社でも同様にec化を進めており、自社の差別化が必要になってくるからです。そこで、btob-ecの競合サイトを研究する必要が出てきます。利用する取引先企業にとっては、複数のサイトを比較しやすく、サイトの利便性だけで売上を左右させてしまいかねません。ecが発達した現代においては、インターネットでの注文も当たり前になり、ユーザーも操作に慣れてきています。

他社のサイトと動線が異なれば、違和感を覚えて、ユーザーが途中でサイトを離脱してしまうかもしれません。また、btobでは、継続的な取引をしていくことになります。よって、コンテンツマーケティングに代表されるような、相手が求めている情報を提供し、自社都合の販促にとらわれないサイト戦略が重要になるでしょう。また、既存顧客との取引もecサイトへ誘導し、効率化を進める必要があります。

5.btob-ec専用カートでbtob-ec導入を成功させる

インターネットを介した企業間取引で使用されるショッピングカートは、商品データや顧客情報などのデータベースと連動しているシステムです。よって、btob-ec専用のカートを導入することによって、既存の取引先との受発注業務を効率化できるというメリットがあります。btob-ec専用カートのなかには、取引先ごとに個別の取引条件を設定できたりと、自由度が高く便利なものもあります。

また、大量の注文書の手入力に頭を抱えたことはないでしょうか。しかし、btob-ec専用カートの注文書自動読込み機能「ai-ocr」を利用すると手入力なしで注文書を読み取ることができます。そのうえ、「ai-ocr」はAIを利用しているため、複雑な帳票を読み取りできて安心です。btob-ecカートを利用することで受注側の業務と発注側の業務ともに効率化できます。長時間勤務の改善やコスト削減が可能になり、自社の働き方改革も推進することでしょう。そして、スタンダードプラン以上であれば、FAXで受け取った注文書をスキャンして自動的に受注データを作成できます。以前の受注データも一括処理できるので非常に便利です。

まとめ

このような理由から、btob-ecの市場規模は、今後もさらに拡大し続けていくことが予想されます。よって、ec化の有無は企業にとって死活問題といっても過言ではありません。今後、時代の波に乗り遅れて淘汰されないように、ec化システムの導入を検討してみてはどうでしょうか。急速に進化していくIT時代に合わせて、早く成果を上げるためにも、使いやすいシステムを利用し、市場に参入するのがよいでしょう。

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