btobの卸サイトを始めたい!売れるサイト作りに必要なモノとは?

一般消費者へのec取引がパソコンやスマートフォンを通して拡大し続ける現代では、企業間取引でもec化が進んでいます。すなわち、ec取引が感覚的に当たり前になったからこそ、卸売企業にとってもec取引は有効な販路となるのです。とはいっても、オンラインでの営業経験が少ない人にとっては、疑問も多いことでしょう。本記事では、売れる卸サイトを構築するために必要なモノについて解説していきます。

1.卸売企業が卸サイトを立ち上げる理由

なぜ、卸売企業に卸サイトを起ち上げることが求められるのか、理由について解説しましょう。

1-1.アナログ業務からの脱却

卸サイトを起ち上げる理由の一つにアナログ業務からの脱却があります。一般的に卸売企業での主な業務は受注業務といえるでしょう。しかし、2021年現在、卸売企業の受注業務の8割以上が電話やFAXなどアナログによるもので、デジタルでの受注は2割以下となっています。よって、主たる受注業務の効率化は急務といえるでしょう。また、人間による労働をデジタルに置き換えることは、労働時間を短縮することにもつながり、働き方改革にも関係してきます。

アナログ業務では、業務全体の流れを通して、1回の受注でも電話やFAXなど複数回のやり取りが発生することがほとんどです。受注業務をデジタルに置き換えることで、電話やFAX、営業担当者による直接訪問など、人間の手で行われていた受注処理が自動化されます。なぜなら、ecサイトを作れば、1回の入力で受注業務を完了させることも可能になるからです。すなわち、受注処理をデジタル化することは経費削減につながり、利益率を大幅にアップすることを意味します。

そのうえ、商品のラインナップが豊富な卸売企業であれば、デジタル化の重みは一層増すでしょう。たとえば、商品名や在庫の管理などアナログでの処理は、一つ変更するだけでも、商品数が多ければ労力も大きいものとなります。一括管理できるシステムがあれば、業務の効率化に大いに貢献するはずです。

1-2.売り上げの安定

オフラインでの営業は営業時間が限られていますが、卸サイトを起ち上げることで、取引可能時間は24時間365日に増加します。よって、取引の機会が増えることで、今まで取りこぼしていた顧客層にもアプローチする機会が増えるのです。また、ユーザー側がwebサイトの画面から商品の在庫や納期を確認できるようなシステムが卸サイトに実装されていれば、アナログ受注の電話やFAXでありがちな複数回のやり取りの繰り返しをしなくてもよいということになります。

また、卸サイトはインターネットを介することになるので、販路は全国へと拡大することになり、足を運べる場所以外の顧客を獲得することも可能です。販路の拡大は、集客数および見込顧客の増加をもたらし、売上の増加につながっていくでしょう。

1-3.非対面営業へのチャレンジ

2021年現在では、コロナ禍の影響により、取引先への直接訪問が困難になってきています。しかし、btobでは、1回の取引で複数回の営業訪問を行うことが慣習となっているといえるでしょう。すなわち、従来の方法で同じ売上を維持するのは難しい状況となっています。リモートワークも増加しているため、当然、取引先の担当者不在のタイミングも増えてくるでしょう。よって、非対面営業の必要性が増加しているのです。

ただし、非対面営業といっても、パソコン画面の向こう側にお客様がいることをイメージして卸サイト作りを進めていくことが重要です。見えないユーザーをいかに見えるユーザーとして意識して営業をしていくかが大切となります。商品の注文書一つとっても、対面営業以上に繊細な心配りが必要になるでしょう。実際に自分で注文することをイメージしてサイト構築を進めていくのがコツとなります。

2.btobならではの利点とは?

btobで卸サイトを起ち上げるうえでのメリットは以下のようなものが挙げられます。全体の中で占める割合は少数であるものの、なかには大口の購入者もいます。そのようなユーザーに満足してもらうことでリピーターにつながれば、安定した売上を築きやすくなります。というのも、「2:8の法則」とも呼ばれる「パレートの法則」では、売上全体の8割を顧客全体の2割である優良顧客が上げているといわれています。すなわち、リピーターを獲得することができれば、費用対効果が高くなり、売上に大きく貢献することになるでしょう。

また、btobは1回の購入量が多い傾向にあります。ユーザーのニーズにしっかりと応えることで、1度の取引でも大きな金額を期待できるでしょう。さらには信用を勝ち取ることで、取引先から次の取引先の紹介を受けられるかもしれません。

3.卸売企業がecサイトを持つ利点

卸売企業が卸サイトを持つことで、多くのメリットを享受できるでしょう。なかでも、大きいのはアナログからデジタルへの移行で人間の手を離れる業務が増えることで業務に対する負荷が減少し、業務の効率化が見込めることです。また、従来の対面式営業方法から非対面営業に切り替わることで新たな営業方法が確立されるといったメリットもあります。さらには、システムに蓄積される営業データをもとにあらゆる販促手法を取ることも可能となるでしょう。

さまざまなものがIT化されている現代では、情報処理のスピードが売上の増加を加速させるといっても過言ではありません。新規顧客やリピート顧客など顧客ごとに分けて、よりスピーディに分析し販売戦略にデータを有効活用できるでしょう。さらには、ecサイトでは対面営業とはアプローチする顧客層も異なるため、商圏も広がり、新規の顧客を確保するきっかけとなります。

4.卸売企業が卸サイトを成功させるポイント

本段落では、卸売企業が卸サイトを成功に導くポイントについて詳しく解説していきましょう。

4-1.ターゲットの設定を明確にする

卸サイトにおける営業は、従来の対面営業とは顧客層も異なります。よって、ターゲットの設定がより重要になるでしょう。つまり、架空のユーザー設定、すなわちペルソナをより明確にすることが大切です。卸先企業の規模などをはっきりさせることで、自社のアピールポイントも明確になるでしょう。また、ユーザーのニーズが明確になれば、販促方法も自動的に決定します。どのような販促を打てば有効かがわかり、マーケティングも容易になるでしょう。そして、集客したユーザーを契約までこぎつけるには、卸サイトにおける商品訴求力が重要になります。

卸サイトをどのようにつくり込めばよいかは、ターゲット次第です。また、ecサイトが発達した現代では、ユーザーが慣れている利用手順というものがほぼ決まってきています。よって、大手サイトに似せるのが有効です。さらに、品ぞろえや価格設定、支払い方法の設定なども顧客のニーズに合わせることが肝要です。

4-2.利用者の利便性を考える

当然のことですが、卸売サイトは、発注するユーザーがいなければ成立しません。たとえば、リスティング広告などを通して、集客されたユーザーがサイトを訪問し、注文するまでの流れ全般において発注側のニーズに応えたうえで、スムーズにサイト設計されているかが重要です。ユーザーの使い勝手、すなわちユーザビリティなど、一つでも発注側のニーズから外れている箇所があれば、途端に他のサイトに移動し、他サイトに顧客を奪われてしまうかもしれません。

せっかく経費をかけてサイトに集客し、ユーザーに対する訴求力満点の商品ページを設置したとしましょう。しかしながら、購入ボタンの位置がわかりにくかったり、決済方法に不備があったりしたらどうですか。あと一歩で成約にいたらず、他社で購入されてしまうのは非常にもったいないことです。よって、利用者の利便性を重視することが重要なのです。

5.卸サイトに欲しい機能とは?

デジタル化を効率的に進めるためには、人間による手間をいかに省くかが成功の鍵となります。おすすめなのは、受注だけでなく、発注も同時に処理できるシステムです。たとえば、自社の在庫にない商品であれば、商品の仕入先と発注データを共有することで、無駄なく発送の対応をしてもらえます。また、複数倉庫や自社便配送対応できる機能も有効でしょう。なぜなら、複数の倉庫を持つ場合など、対応が複雑化しがちになるからです。納期の指定や発送場所、配送ルートの変更など詳細に設定できれば、在庫を切らすことなくスムーズな発送が可能になるでしょう。

また、取引先ごとにデータベースへの登録ができれば、商品表示や料金、送料の設定や掛率など詳細に設定できます。さらには、リピート注文を対応するシステムなどもあれば、より便利です。このようなさまざまな機能を実装しようとして、卸サイトに特化したサイトを構築する場合、一からシステムを開発するとなると、かなりの高額になることが予想されます。よって、ある程度の運用実績もノウハウもあり、自社システムを提供している会社のサービスがおすすめです。

6.卸サイトにぴったりな機能

御サイトにうってつけの機能として、「卸価格設定機能」「取引先ごとの販路設定」「取引先ごとの決済方法設定」の3つの機能が挙げられます。取引先ごとに卸価格が違う場合などは、多々あることでしょう。卸価格設定機能があれば、詳細に指定金額や掛率を設定することが可能です。また、ロット単位での割引価格変更なども設定できます。

そして、btobの場合、btocと異なり、誰もが目の届く位置にすべての商品が陳列されない場合もあるでしょう。取引先ごとに販売する商品が異なる場合は、取引先ごとの販路設定の機能を利用して、取引先ごとに表示する商品を変更することが可能となります。

また、取引先の信用度合によっては、請求書払いや掛払いなど決済方法を変更したい場合もあるでしょう。3つ目の機能である、取引先ごとの決済方法設定によって、取引先ごとの決済方法の変更が可能となります。そのほかにも、AI-OCRという便利な機能があります。大量にある請求書や発注書を手入力するのは大変な労力です。注文書自動読込機能であるAI-OCRを利用すれば、データの処理も自動化させることが可能で、大幅な業務効率化が見込めるでしょう。

まとめ

このように、卸売企業が卸サイトを起ち上げて、ec化を進めることにはさまざまなメリットがあります。情報技術やビジネス手法が高速に進化していく現代においては、ライバル他社に先駆けて卸サイトを導入することで、一歩も二歩もリードすることが可能となるでしょう。卸売企業の形態は、さまざまです。きっと独自の成功方法があるはずです。自社のノウハウを蓄積して多大な利益を生み出すためにも、早期の導入をおすすめします。

新規CTA
 

関連記事

  1. BtoB市場は拡大中!BtoCの場合と大きく異なっている点は何?

  2. バックオフィス業務の効率化方法とは?システム導入のメリットを詳しく解説…

  3. 受発注システムを導入して管理を効率化!解決可能な4つの課題とは?

  4. 3社に1社が導入!BtoB-ECでも利用可能な「掛け払い決済」とは|後…

  5. 受発注システム選定のポイントを詳しく解説!各システムの特徴、メリット・…

  6. btob-ecに最適な決済方法は?選択肢はできるだけ多く用意すべき?