理化学機器や粉体・粒子等の分析装置の製造販売で国内シェアNo.1のリーディングカンパニーが、BtoB-ECで消耗品等を卸販売。
年間約2400件の受注プロセスの自動化に成功。
大阪に本社を構えるマイクロトラック・ベル株式会社は、機能性粉粒体分析装置の製造販売において国内シェアNo.1のリーディングカンパニーです。同社の製品は、粉粒体特性評価の研究や品質管理、品質保証を行う研究機関で幅広く使用されています。
同社は、装置の消耗品の販売をより効率的に行うため『楽楽B2B』を導入し、2022年10月から運用を開始しました。今回は、『楽楽B2B』の採用と導入、運用にも携わっているICT管理課の阿部(アベ)さんと、営業部の山口(ヤマグチ)さんに、導入前の課題、導入後にどのような変化があったのかについてお話を伺いました。
- 課題
- ・ひと月約200件(年間約2400件)の受注業務が全てマニュアル処理
- ・1日の作業時間の大半を受注業務に割いていた
- ・「あるものを売る」のが当たり前、新たなアイデアが出てこず
- 選定基準・ポイント
- ・会社のセキュリティポリシーの要件をクリアできるか
- ・機能面の要件やサポート体制など全15項目
- 成果
- ・問い合わせ対応から、納期の確認、各種帳票の作成・送付までほぼ自動化
- ・受注業務に割く時間を98%削減
- ・物売りからトータルソリューションの提供へ変革
―――業界や事業内容・従業員数を教えてください。
山口さん:弊社は、機能性粉粒体の比表面積や粒子径を分析する装置の製造販売を⾏う会社です。2014年に国内2社が合併し、2019年にオランダの企業に株式譲渡が行われました。よって、現在は海外との取引も多数ある外資系企業です。
従業員はグループ全体で1,000人超、うち国内は約120名、そのうちEC事業は営業部の3名が担当しています。
お客様は、大学官公庁の研究機関や民間企業の研究開発、品質管理部門です。各装置の価格は1台500万〜2000万円超と幅広く、お客様ごとにこだわりもお持ちです。私たちは、そんなご要望に最大限お応えできるよう、顧客満足度の向上に日々努めています。
―――「楽楽B2B」を普段どのようにお使いですか。
阿部さん:既存顧客や販売エージェントが、当社装置に関連する消耗品やオプション品をWebで発注できるECサイトとして利用しています。
将来的にはさらに取扱品目を増やす予定ですが、まずはスモールスタートです。
『楽楽B2B』で構築したECサイトは2022年10月に立ち上げました。現在は、500社ほどのお客様にユーザー登録していただき、主要製品の消耗品受注をECサイトから承っています。
受注データは、基幹システムに自動で取り込むように連携しています。また、在庫データや出荷実績は1日1回『楽楽B2B』にアップロードし、情報の同期をするようにしています。
営業部 山口さん(左)、ICT管理課 阿部さん(右)
年間1000時間以上に及ぶ受注業務で現場が逼迫。
マニュアル処理が限界に
―――BtoB-ECを始めようと思ったきっかけを教えてください。
阿部さん:一番は売上の増加です。ありがたいことに、毎年順調に売上が伸びていました。
今後のマーケティング戦略を考えた時に、従業員がもっとクリエイティブな仕事に専念できる環境にすることが重要だと思いました。そのためには、ルーティンワークにかける時間や労力を減らす必要があります。
そこで注目したのが、年間約2400件発生する「装置の消耗品の問い合わせ対応・見積り・受注プロセス」でした。
BtoB-ECを始める前は、消耗品の見積り・受注プロセスを全てマニュアル処理にて行っていました。問い合わせ対応・見積書、請求書、納品書等の作成と送付・受注情報の登録など全てです。これらのルーティンワークは、人の手をかけずともシステムで省力化することができます。では、そのシステムとは?と考えた時に、ECで自動化しようという話になりました。
―――『楽楽B2B』導⼊前の課題を教えてください。
山口さん:装置に使用する消耗品の問い合わせ、見積作成は年間で約2400件にのぼり、そのうち2300件が受注に至ります。
EC化する前はそれを全てマニュアル対応していました。
具体的には、電話やFAX、メールにて問い合わせを受け、見積書を作成して送付、それから納期の確認や受注登録を行い、商品の発送後には請求書・納品書を送付します。1日の作業時間の大部分をこのような受注処理に費やしており、年間に換算すると1000時間以上にも及びました。
一方で、受注は毎年順調に増加しており、他の業務も増えています。このままでは、マニュアルでの対応が追いつかなくなることは明らかでした。
最初は、社内処理のみの自動化を検討していましたが、そもそも、受注の入り口の部分から自動化しなければ根本的な課題解決にはなりません。そこで、発注用のBtoB-ECサイトを設けて、ECを入り口にしようという結論に至りました。
―――製品を選定したときの基準・ポイントを教えてください。
山口さん:BtoB-ECの製品を選定するにあたって、見積作成ができるか、商品定価と販売価格の表示ができるか、在庫管理ができるか、など合計で15の基準を設けました。
15の基準の中には、お客様にとっての使いやすさの項目もありました。登録住所以外で納品先を指定できるか、カテゴリから商品を探すことができるか、といった内容です。
また、メール送信やデータの転送にあたっては、弊社のセキュリティポリシー上の要件をクリアする必要もありました。
何社かシステムのデモ利用を行い、それらを総合的に判断した結果、要件に最もフィットした『楽楽B2B』を選びました。
受注業務にかかる時間を98%削減!新サービスの考案など、従業員がクリエイティビティを発揮するように
―――『楽楽B2B』導⼊後の効果をお聞かせください。
山口さん:当初の狙い通り、受注処理にかかる時間は98%削減されました。
ここまで大幅な時間削減が叶ったのは、見積作成・納期確認・在庫確認・受注登録・請求書や納品書の送信など、これまでマニュアル処理していた作業がほぼ自動化されたためです。
また、ECサイト上に商品画像と詳細を掲載するようになってからは、お問い合わせの件数も減りました。これまでは、お客様から「この商品が欲しい」と写真付きの問い合わせメールをいただくことがよくあり、その度に、弊社で突合する作業が発生していました。そのプロセスがなくなったのも大きいです。お客様の方も、問い合わせをして返事を待つという手間が削減できたのではないかと思います。
阿部さん:業務効率化はもちろんですが、「従業員がクリエイティビティを発揮するようになったこと」が最も大きい効果だと思います。
受注業務のマニュアル処理に追われていた頃は、「あるものを売る」という姿勢でした。それがEC化でアイデアを練る時間が生まれたことで、「次はオプション品を取り扱ってみてはどうか?」「メンテナンスサービスもECで受注してみては?」「アウトレット製品を取り扱ってみよう」など、さまざまな新しい発想が出てくるようになりました。
実際に、アイディアから出た商品をBtoB-ECサイトにアップしてみたら即完売、なんてことも起きています。
このように「人が変わる」ところまで到達して、初めてDXと言えると思います。『楽楽B2B』導入で、人が最も注力すべきところに注力できる環境になったことは、本当に喜ばしい成果です。
―――取引先の反応はどうでしたか?
山口さん:お客様からは、総じて高評価をいただいています。
EC化する前は、お客様には商品名と型番をFAXやメールに入力してご注文いただいていました。装置に付属する消耗品は、見た目や型番が似通ったものが多くあります。ですから、注文した品が本当に正しいのか不安に感じる方もいらっしゃったと聞きます。実際に間違った注文を受けることもありました。
それが、ECサイトで商品写真を含めて詳細を確認できるようになったため、注文時に安心が生まれたとのことです。
また、在庫確認や見積依頼など、ご注文前の動作もECサイト上でできるようになりました。欲しい情報がその場で得られることについても、便利になったとのお声をいただいています。
決め手はサポートスタッフの人柄と対応力
―――『楽楽B2B』に対する評価をお聞かせください。
阿部さん:文句なしの大満足です!人の行動や体験が変わること、つまり、DXの本質に達することを目指して『楽楽B2B』を導入しましたので、結果が形となって現れ非常に喜びを感じています。お客様にはより便利な体験を、従業員にはアイデアを生み出す楽しみを与えることができました。
先ほど、BtoB-ECの製品を選定するにあたって15の基準を設けたとお話ししましたが、その中で最も比重が高い項目があります。それは何かと言うと、「ご担当者の人柄」です。
『楽楽B2B』のサポートスタッフの対応は、比較検討した製品の中で群を抜いていました。質問をすればタイムリーに返答があり、説明も分かりやすく、技術的にも柔軟に対応してくれました。弊社の希望を全て実現できたのは、サポートスタッフ対応力のお陰だと思います。
将来的にはマーケティングツールと連動させ、消耗品の売上構成比の大部分をWebに持っていきたいと考えており、『楽楽B2B』で構築したBtoB-ECサイトならそれが可能だと確信しています。
―――これからBtoB-ECを始める⽅に向けて⼀⾔アドバイスをお願いいたします。
阿部さん:これからの時代は、ECサイトを持つことが企業の基本条件になってくると思います。
電話やFAXなどを用いた受発注は今後も残るとは思いますが、それがECサイトを持たなくて良い理由にはならないでしょう。インターネットは、もはや社会に欠かせないインフラとなっています。顧客本位の経営をする企業ならば、時代の流れには乗らなければなりません。
『楽楽B2B』の導入は予想よりもハードルが低く、安心してEC化に乗り出せました。
今後は物販だけでなく、各種サービスもコンテンツとして追加し、あらゆるお困りごとを解決できるプラットフォームのように改良していきたいと思っています。『楽楽B2B』を活用すれば、その姿は実現できると確信しています。
ですから、どんどん試してスピーディーにリリースし、市場の評価を得ていきたいと考えています。
ECサイトは物販のイメージが強いですが、トータルソリューションを提供するプラットフォームとしても機能します。そんな可能性が広がっているということを、ぜひお伝えしたいです。
―――いろいろとお話いただき、ありがとうございました!
これからも「楽楽B2B」はメーカー・卸売業を行う企業様のDX推進のために、機能強化や外部システムとの連携を進めてまいります。
マイクロトラック・ベル株式会社
本社所在地:〒559-0031 大阪市住之江区南港東8丁目2番52号
代表取締役社長:仲井 和之
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