btobとbtoc・ctocは何が違うの?基本のキの字から学び直そう!

業績アップは企業経営者にとって大きな課題であり、時代に即した最先端システムの導入が必要なのはいうまでもないでしょう。そのためには、業界で使われる言葉をしっかり把握することが大切です。ビジネス用語にはbtobや、それに類似するbtocやctocがありますが、これらにはどのような違いがあるのでしょうか。ここでは、それらの言葉の違いを把握したうえで、btobの基本を学び直せるように簡単なことからわかりやすくまとめていきます。

1.btobとは何?

まず、「btob」が「b」「to」「b」の3つから構成されている点に注目しましょう。そのうち、toの前後についているbは法人を表す「business」の頭文字です。また、toは「○○へ」「○○に向いて」などの意味を持っています。このような理由から、btobにはbからbへの移動を表す言葉であり、btobは「企業間取引」を表す言葉だといえます。

そのうえで、btobが「business to business」の略称だと把握しておくとよいでしょう。つまり、btobとは、企業向けに商品やサービスを提供する取引のことなのです。btobの読み方も気になるところです。こちらは「ビートゥービー」もしくは「ビーツービー」と読みます。また、btobを表現するとき、toを2に替え「b2b」にすることもあります。

btobは企業間取引であるゆえ、当然、商品やサービスの提供相手も企業です。卸売業は典型的な事例です。こちらでは企業向けに部品や材料などの販売を行っており、一般消費者は商売の対象にはしていません。また、製品のパッケージ制作をする企業では、特定の製品を納める容器や箱を対象としています。しかも、相手企業からの受注によって生産するもので、一般消費者向けには販売していないことも押さえておきましょう。さらに、企業向けのソフトやアプリの制作、コンサルタントなどもbtobに該当します。これらのように業務をサポートするサービスは企業相手のみで成り立つことが大きな特徴です。

2.btobに表現が似ているその他の取引

なんらかの言葉を理解するとき、類似の表現を知っておくと役立つこともあるでしょう。btobと表現が似ているものとして「btoc」や「ctoc」が挙げられます。ここでは、それぞれどのようなものなのか解説していきます。

2-1.btocとは

まず、「btoc」が3つの言葉から構成されている点や「to」の持つ意味はbtobと同じだと考えましょう。また、toの前にあるbはbtobと同様に「business」の頭文字を取ったものです。一方、toの後ろにあるcには消費者を意味する「consumer」の頭文字が使われています。

このような構成から、btocの取引相手は消費者になります。つまり、企業が一般消費者向けに行う取引がbtocに該当するのです。さらに、btocが「business to consumer」の略称という点も理解しておきましょう。btocの読み方は「ビートゥーシー」あるいは「ビーツーシー」です。また、btobをb2bと表記するのと同じく、btocの表現に「b2c」が使われることも少なくありません。

btocの対象は一般消費者ですが、その顧客は多岐にわたります。コンビニやスーパーなどの小売業は生活に欠かせない大切なものです。また、鉄道やタクシー、バスなどの交通サービスも身近な存在といえるでしょう。さらに、映画館や遊園地などの娯楽を手掛けるところもあり、btocは幅が広いことが大きな特徴です。テレビコマーシャルは商品広告の代表的手段ですが、ほとんどがbtocという点も見逃せません。テレビ視聴者の多くが一般消費者に当たるため、btocを意識した効率的な広告方法だと考えられます。

2-2.ctocとは?

こちらも「btob」や「btoc」のように3つの言葉から成り立っています。また、「to」の意味もこれまでお話したものと変わりません。さらに、ctocとbtobには、toの前後に使われる言葉は同じという共通点がみられます。ちなみに、ctocの前後にあるcは、消費者を意味する「consumer」の頭文字で、こちらはbtocにも使われている言葉です。

このような理由から、ctocは一般消費者間の取引を意味するものです。また、ctocの読み方は「シートゥーシー」あるいは「シーツーシー」であり、表記方法としてb2bやb2cと同じく「c2c」が使われることも押さえておきましょう。

ctocの大きな特徴は、商品の売り手も買い手も一般消費者というスタイルにあります。その一つ「フリーマーケット」などは身近な存在です。こちらは古くから行われていたもので、地域のイベントなどで見かける機会も多いでしょう。また、パソコンやスマートフォンの普及により、ctocはさらに身近な存在になりました。実際、自宅にいながらできる便利さから、オンライン上で個人間取引をする人が増えています。

3.取引相手の違いによるさまざまな相違点

これまでお話しした取引のうち、企業が関与するのは「btob」「btoc」の2つです。そのうち、前者の取引相手は企業、後者は一般消費者が対象になります。そのため、商品販売やサービスの提供(以下、商品販売)などを行う際には、取引相手の違いによるさまざまな相違点を把握しなければなりません。ここでは、それらの点について解説していきます。

3-1.相手が法人であることによって生じる特徴

btobの取引相手は企業、すなわち「法人」が対象であり、取引規模が大きいことが特徴です。そのため、取引の成果が業績アップに直結することも少なくありません。もし、単価が安い商品でもロット数が多いので、高額な取引額が期待できます。さらに、継続的な取引を行うことで安定収入にもつながるでしょう。それだけに、取引成立には多くの障壁があることを知る必要があります。

企業は取引相手を選択する際の基準が多いだけでなく、決済に関与する人が多いことも大きな特徴です。また、取引に際しては論理的な議論を行ったうえで、慎重に判断することが少なくありません。判断基準には品質のレベルはいうまでもなく、取引の継続性なども含まれます。取引先選びに際しては、担当者個人の好みではなく客観的な情報が重視されることも押さえておきましょう。

企業でなんらかの決済を行うとき多くの人が関与します。また、最終的な意思決定者がいますが、そこに至るまでのプロセスが大変複雑です。意思決定まで時間がかかるほか、途中で却下される可能性もでてきます。さらに、購入したものを使用する人と取引決定者が異なるケースも少なくありません。このような背景もあり、法人相手に取引をするときは管理者にアピールする必要がでてきます。つまり、商品を使う社員の気持ちに訴えるよりも、管理者が商品を活用したくなるように仕向けることが大切なのです。

3-2.相手が個人であることによって生じる特徴

一方、btocの取引相手は一般消費者、つまり、個人が相手になることが大きな特徴です。そのため、商品販売による取引金額は比較的安くなります。一人当たりの取引個数が少ないので少額の取引になるのも無理からぬことです。なかには、趣味グッズなどを「大人買い」する人もいますが、企業相手の大型取引には及ばないと考えましょう。

btocでは商品選びの基準が少ないことが大きな特徴です。商品を購入するのが個人であり、購入先や商品選びに関わる人はそれほど多くありません。身近な人にアドバイスを受けることがあるとはいえ、意思決定するのが購入者本人というケースも十分考えられます。しかも、比較検討する項目が少なめで、判断基準を個人的な満足度に置くこともあるのです。さらに、購入の意思決定までの時間が短く、金銭感覚と現場感覚が大きく関わることも知っておきましょう。

商品購入までのプロセスが簡単な背景として、意思決定に関与する人が少ない点が挙げられます。つまり、本人が納得すれば商品購入につながるといっても過言ではないのです。実際、商品を購入する人と取引を決定する人(お金を出す人)が同じ場合が少なくありません。そのため、商品に興味を持つ人の気持ちに訴えれば、自然と購入したい気持ちにつなげることができます。

4.特徴に合わせたマーケティング戦略が必要

btobとbtocとでは対象が違うだけでなく、取引決定までのプロセスや意思決定者も異なることがわかりました。そのため、取引に際しては、それぞれの特徴に合わせたマーケティング戦略が必須です。

まずは、btobの特徴について押さえておきましょう。業績アップのためには取引先との関係を良好に保つのはもちろんですが、そのうえで新規取引先開拓も欠かせません。リード(見込み客)の獲得方法としては、展示会やセミナー、オフラインイベントの利用などが考えられます。また、オンライン上での問い合わせや資料請求ができるような工夫も必要です。リード獲得後はメールや電話で案内をするなど、相手と接点を持てるように心がけましょう。

取引をするには、こまめに商談をすることが大切です。商談は対面で行うほか、オンラインによる営業活動もよいでしょう。いずれにしても、複数回実施したうえで話を詰めていくことが重要です。また、支払い条件の確認や法務部門のチェックなどもあり、取引成立まで時間がかかることも覚悟しておきましょう。このようにbtob成立に至るまでにはいろいろな段階を踏む必要があり、しかるべき条件をすべてクリアすることが大前提になるのです。

一方、btoc取引の場合は、スムーズに成立することがめずらしくありません。もちろん、消費者との接触機会を増やして認知度を上げておくことが大切です。自社商品のアピールにより消費者の購買意欲を高めることで、早期の商品購入にもつながります。btocの対象商品には食料品や日用品などが多く、即時購入や決済につながることが少なくないからです。もちろん、btocのなかには価格の大きい住宅や自動車なども含まれます。これらを購入するときは即決が難しく、プロセスもbtobに近いことを把握しておきましょう。

5.btobにもecサイトが有効

「ecサイト」といえば個人を対象にしたサイトとのイメージがあるかもしれません。通販での商品購入先としてecサイトが身近な存在になったからです。しかし、btob目線で構築されたシステムを導入すれば、btobでもecサイトは有効といえるでしょう。

実際、ITインフラの整備やスマートフォンなどのデバイスの普及により、さまざまな業務がオンライン化されています。働き方改革などによりリモートで働く人が増えている点も見逃せません。このような背景もあり、従来のやり方ではbtobの営業が難しくなってきているのが現状です。むしろ、btobのecへのシフトが進んできただけに、早めに導入を検討しなければ時代に乗り遅れる恐れがでてきます。

6.btob-ecサイトに必要な機能とは?

btobにecサイトを導入する前には、btocのecサイトとは異なることを把握しておきましょう。そのうえで「売り手側にとって必要な機能」と「買い手側に必要な機能」両方を知ることが大切です。ここでは、btob-ecサイトに求められるそれぞれの機能について下記のようにまとめました。

#売り手企業にとって必要な機能

  • 顧客ごとの価格と商品が表示される
  • 最低ロットと最低注文金額を設定できる
  • 掛売の対応が可能
  • 荷姿の選択ができる(ばら売り、ケース売りなど)
  • 既存の基幹システムと連携が可能

#買い手企業にとって必要な機能

  • 会社と所属社員の情報を紐づけられる(IDの割り振りなど)
  • 発注前に見積書を作成してもらえる
  • パターン化している注文内容に対するリピート機能
  • 一覧画面などから異なる複数の商品を一度にカートへ投入できる機能
  • 発注責任者が発注内容を承認できる機能

btobシステムを選ぶ際のポイント

btobにecサイトをフル活用するには、btobならではの機能を兼ね備えたサイトの利用が必要です。具体的には以下のような機能を持ったシステム選びが重要です。

「卸価格設定機能」・・・あらかじめ掛率を登録しておくことで取引先ごとに金額が表示されます。取引先ごとに卸価格が異なるときに便利なだけでなく、発注作業のみで完結するので発注企業側の業務効率化に役立ちます。
「取引先ごとに販路を設定できる機能」・・・クローズドサイトやセミクローズドサイトにも対応できます。
「取引先ごとに決済方法を設定できる機能」・・・決済方法を一律にするのではなく、請求書払いや代引きなど相手によって使い分けができる機能です。

上記以外にも最近では「AI OCR 注文書自動読込み機能」が注目されています。AIによるOCRデジタルスキャナーを搭載したことで、大量の請求書や発注書の手入力が不要になります。

さらにシステム導入でアナログな作業を自動化することで、手入力によるミス防止や請求書発行など取引に付随する業務も効率化できるメリットが大きいです。btobは取引規模が大きいだけに、上記のようなbtob ecに特化した機能を持つシステムの導入は必須と言えるでしょう。

まとめ

インターネットの普及によりオンライン化が進むなかでも、すべての業務がオンライン化されていないのが現状です。btobも例外ではありません。しかし、これまでアナログな方法での取引が中心だったbtobこそ自動化が必要な時代になりました。また、時代に取り残されないためにも、機能がわかりやすく扱いやすいツールを選んだうえで、積極的に導入することをおすすめします。

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