こんにちは、楽楽B2B マーケティング戦略室の田口です。
2021年7月29日(木)に【利他フーズ×マネーフォワード決済×楽楽B2B】で開催しましたオンラインセミナーの様子をお届けしています。
今回は質疑応答・対談パートです。
FAXしか出来よらん人達をどうやって移行したらいいんですか?
私猪本さんに聞きたいこといっぱいあるんですけど・・・
怖いなあ(笑)
今日午前中に福岡の家具屋さん行ってきたんですけど、受発注どうされてます?って聞いたら「FAXです」「うちのお客さん年取った人が多いとですよ」と。
「FAXしか出来よらん人達をどうやって移行したらいいんですか?」って聞かれたんですけど、どうやって移行したらいいですかね?
えーっとですね、僕らもまだいらっしゃるんですよFAXの方って。で、飲食店様達ってせっかちなので電話をガーン!ってかけてきて「いつもの、ヨロシク!!」って感じでガーン!って切るんですよ(笑)
でも移行したときは半強制的にという感じで、「BtoBサイト作りました、こっちのサイトから買うとこんなメリットがたくさんありますよ」っていうことを粘り強く伝えていくっていうことをやりました。未だにやってます。
現在何割くらいがサイトから購入いただけるようになったんですか?
3割くらいですかね。7割は電話・FAXまだありますよ、はい。
そんなに残ってるんですね~!!
はい、まだ全然あります。でも最初から比べると3割まできたなってところですね。
2年くらいかけてます。これからも言い続けていくしかないですね。
司会:質問を頂いております。
ー 利他フーズ様に質問です。Webマーケティングのノウハウはもともと保有されていたのでしょうか?それともコンサルタントを雇ったのでしょうか?
うちの会社って営業マン一人もいないんですよ。
じゃあ誰がいるのかっていうとWebを運用する人たちがずっと居るわけなんですけども、WebのECでやっていこうって最初から決めてましたので、2012年からノウハウを蓄積していって今まできてるっていうところです。
ー BtoBのデジタル化というものに抵抗がある事業者も多いと思うのですが・・・
僕らも電話・FAXの注文をバッサリ切るのはなかなか難しいかなっていう風に思ってますので、今はいかに効率的に処理するかっていうのを考えてます。OCRを使って注文書を自動でスキャンして読み込んでいくとかですね。「馬刺し」っていうニッチな商材を扱ってますので、そことはうまくやっていきたいなと思ってます。先進的な部分と、そうでない部分は教育を含めて”共に一緒にやっていきましょう”というふうにやってますね。
販促ツールやPOPなんかは全部Webから受け付けるようにしてます。これまでは電話とかで受けてたんですが「すみません、これはWebからの限定でやらせてもらってます」とお伝えしてます。クーポンとかも「クーポン使うんだったらWebからでお願いします」とか、その辺うまく絡めつつ徐々に移行を促していってる感じです。
ペットフード事業を始めた話
ー 駄菓子屋のBtoB ECサイトを立ち上げる予定です。新規で顧客を獲得したいのですが、何から始めれば良いでしょうか。
じゃあ僕がペットフードを作ったときのお話をちょっとしてみたいと思います。商品も僕が作ったんですけどドッグフードとか興味なかったんで全部調べたんですよね。ワンちゃんにとってはどういうレシピが一番いいのかとか、そっから始めていって本を買ったり専門家の方に聞いたりして進めていったんですけども。
ECサイトを作るうえで大事なのはまず魅力的な商品を作るってことですよね。売れない商品ってやっぱり売れないので。まず何を売っていくのかを決めて、どういうユーザーを狙いたいですかってところから逆説していって、商品作りをしていくみたいなとこですね。
商品が出来上がってくるとそれを販売するECサイトがいります。今って安いカートたくさんありますので、僕だったら最初はそういう安めのカートを使ってまずはあんまりコストをかけずに販売できる道を作っていくっていうことをやりますね。補助金なんかもうまく活用したいですね。僕もペットフードを作ったときは新規事業に使える補助金があったんでそちらを利用しました。
あと最初から全部ひとりでやると大変ですので、うまく協力会社さんを活用しながら外注できるところは外注して進めていくといいのかなという風に思います。
僕らも今でこそ社内で人を抱えるようになりましたけど、ドッグフード事業を作った当初はコールセンターとかは東京で格安のコールセンターを見つけてきてそちらにお願いしたり、発送とかも大変ですのでそれも関東県にある格安の物流センターを見つけてきて「お願いします!」ってやってもらってました。
あと新規顧客の獲得についてはやっぱりWeb広告がいいのかなと思います。小規模から始められますので。1日3000~5000円でどのくらいの反応かっていうのが見れるんですよね。これも自分でやるのが大変っていう場合は広告会社さんにお願いとかもできますけど、これは頑張って覚えれば自分で出来る気もします(笑)
でもやっぱり商品をいいものを作るっていうのが大前提かなと思います。
広告運用の「頑張って出来る」っていうのは、仮に社内でやろうとしたときに社内のどういう人だと出来そうっていうのはありますか?
あと、どのくらいの時間で出来るもんなんですかね?
広告運用含め、とりあえずEC担当で1人付けてるっていう場合多いと思うんですけど、既存の業務+EC業務もお前やれよ!っていう感じで両足突っ込んでる場合が多いんですよね。そういうところってあんまりブレイクしてないかなっていう風に見えます。既存の業務を誰かに一回任せてしまって、ECのほうを魂込めてやる、EC専任にして役割を明確にしてやるっていうのが一つポイントなのかなって思います。
Webって簡単に出来るんでしょ?って思われるんですけど、なかなか簡単に出来ないんですよね(笑)けっこう地道なことが多すぎるので・・・。
商品どうやって発送するかも決めないといけない、どういう商品つくるかも決めないといけない、どうやって集客するかも決めないといけない、デザインどうするかとか商品名どうしようとか商品パッケージどうしようかとか、考えていくと結構決めないといけないことありますね。
ドッグフードって今までの馬刺しのお客さんとは全然違うじゃないですか。
そうなると新規ってどういう感じでついてくるんですか?Web広告出したら急にくるんですか?
まあ割と来ますね。ただこれって設計が大事で、僕ら最初の入り口商品としてお試し商品を作るんですよね。いきなり「1kgのドッグフード作りました!これすごくいいドッグフードなんですよ」って言ってもやっぱり買わないですよね。馬刺しもそうですけど「ちょっとお試ししませんか?」ってことで1000円とかそれくらいの安い価格で一度試していただいて、まずはお客さんと接点を持つっていうことをすごく大事にしてます。
馬刺しでもお試し商品を作ってます。BtoBの飲食店さんとかにもまずは試してもらわないと始まりませんので、試してみたいなと思わせるように今だと980円くらいでお試しセットをご提案してるんですけども「980円なら試してみるか」と。一回接点が持てれば、お電話で「どうでしたか?」って確認することもできますし、メールでコンタクトを取ることもできます。
あとは商品が届くときの同梱物でカタログとかパンフレットをお届けすることもできるんで、けっこうありとあらゆるところからアプローチできるんですよね。住所が分かれば後追いでDMを送ったりとかもできますし。
いかにお客様と関係が持てるかっていうのは結構気にしてやってますね。
ありがとうございます。
じゃあ新規で顧客を獲得するために何からやるといいか?への回答としては、
- まずは商品作りに力を入れる(魅力的な商品をつくる)
- EC専任の担当者をつけて、外部のパートナーにも適宜外注してみる
- お試し商品を用意してみる
このあたりですかね。
EC経験者が熊本にいない問題
ちなみにECの専任者は、ECとかWebの経験がある人を採用したりするんですか?
僕らもそろそろ経験者を採用していきたいんですけど、熊本にいないんですよね(笑)
僕もそうですけど未経験からやってますので。最初は本とか見てやってました。
なんでコンサルタントとかをうまく使うのもひとつかなと思いますね。しっかり支援してくれますので。小さいフェーズのときは小さいところが得意なコンサルタントに小予算でお願いして、大きくなってきたら物流周りをプロに少し見てもらったりとか、広告もたまには外部に出してみようかとか。
在庫管理システムも使っています
ー FAX担当者とEC担当者で分けて業務を行う場合、在庫管理(減算)はどのようにされてますか?
あーこれは馬刺しが特殊っていうのはあると思うんですけど、馬刺しって生で食べるお肉で鮮度が大事なので、受注を受けてから発注するスタイルを取ってるんですよね。なので基本的にあんまり在庫は持たないようにしてます。
今はAmazonなんかがそうですけど注文したら翌日くるっていうのが当たり前になっている中で、僕らはあえて「注文を受けてから準備するので、新鮮でさばきたてをお届けすることができます!」っていうふうに謳ってます。在庫がある商品よりは新鮮で美味しいですよって割り切ってやってます。
ただドッグフードに関しては在庫を持つビジネスですので、基本的に在庫管理システムで管理してます。そっちのほうはあんまり電話・FAX多くないかなっていう感じです。
特殊なのであんまり参考にならないかもしれないですけど・・・。
それでいうと、ネットショップ支援室さんのアシスト店長みたいな在庫管理のシステムをBtoBのECカートとは別に用意して、自社のECサイト、電話・FAX、モールのどこから注文を受けても在庫は在庫管理システムで一元化して見れるようにされてるケースが多いですよね。
LTVを上げるためのテクニックいろいろ
ー 食材のECの場合、商品単価や利益率が低いため、LTVがCAC(顧客獲得単価)を上回るイメージが湧きません。顧客獲得コストを下げる良い方法などあればアドバイスください。
CACはCustomer Acquisition Costの略で、意味はCPAと同じく【顧客獲得単価】です。
CACとCPAは同じ意味の用語ですが、自社サービス全体の顧客獲得単価を指す際にはCACが用いられます。
これはもう・・・グイグイきますね(笑)
おっしゃる様に食品のECって利益率あんまり高くないんですよね。健康食品とか化粧品のほうが高単価で利益率も高いっていうところはあるんですけども、僕らもそれは結構考えていて、いかに客単価を上げていくかというのをもう追及してます。
客単価を上げるっていう発想なんですね。
まずBtoCの場合をお話させていただくと、僕らの商品で2999円のお試しセットっていうのがあるんですけども、「まとめて買うとお得ですよ」っていきなり5セット購入とかを勧めるんですよね(笑)そうなると14000円とかになっていくんですけど。で、3セットだとこういう特典つきますよ、2セットだとこういう特典つきますよ、まあ1セットも買えますよっていうのをやっていくとですね、平均購入単価が上がるんですよ。あんまり言いたくないですけど(笑)
5セットから見せたほうがいいのか、2セットから見せたほうがいいのか、初めに見せたほうがいいのか、購入の手前で見せたほうがいいのかとかですね。それかカートの中で見せたほうがいいのか。こういうのを結構テストしてます。
で、カートの中に入っても「醤油もありますよ」とかですね(笑)
けっこうアップセル・クロスセルをバリバリやっていくと想定の単価よりかは上がっていくので、じゃあCPAをもう少しかけれるかなっていうのが僕らが一番取り組んでいるところですかね。
おお~!!
うまい!うまいなあ~!!(笑)
(笑)
一方BtoBでは引き上げに注力してます。飲食店さんにも980円で売ってますけども、それを5個買いませんかとかあんまりピンとこない人が多いので、どっちかというと獲得した後のフォローをしっかりやっていくっていう形をとってます。
僕らが追ってるKPIとしては、まず購入するときは会員登録がマストになりますので、①まずは会員登録→初回購入、ここの移行率を見てます。うちでいうと大体7割くらいが買っていきます。でさらに②2回目の購入への移行率っていうところで、購入の手前から追ってるという感じですね。会員登録しても買わない人はいるので。
なので、そこのお客様に対してもしっかりアプローチをかけていくのもそうですし、1回お試し商品を買ったお客様にもアプローチをかけていくていうので、引き上げが担保できればLTVが上がっていきますんで、どれくらいの広告費かけれるっていうのが導きだせるっていう感じで・・・これで回答になってますかね。
販売にかかる費用は商品設計段階で全部入れちゃおう
すごいリアルですね~。いやありがとうございます。
広告費でいうと、「広告費用って売上対比どれくらいかけてますか?」ってよく聞かれるんですけどその辺どうですか?
BtoCだと売り上げに対して10%はかけなさいって大体言われるんですけど、BtoBの人に売り上げの10%をWeb広告に使ってくださいって言っても「うち利益率5%なんですけど・・・」みたいなことって普通にあるじゃないですか(笑)
それでいうと、僕らの考え方として”利益率の低い商品を作らない”ようにしてます。
そもそも商品設計の段階で全部入れるんですよ。まず仕入れ値、決済手数料、送料もありますよねと。であとは楽天とかYahooとかモール系出していくとそこで手数料取られますのでそれらをだんだん加味していって、それで粗利を算出していくってことをやります。それでもプラス広告をかけても大丈夫なくらいの単価の商品を作るようにはしてますね。
逆に既存のお客様に対してはあまり広告費使わなくてもよくなるので、1回獲得単価払っちゃえばその後は売上増によって利益率もちょっとずつ上がっていくわけですよね?
そうですね。うちでいうとBtoBの売り上げの8~9割が既存のお客様ですし、BtoBでは結構こういう傾向出やすいかなと思います。
既存のお客様が買わないのであれば商品に問題があったりだとか、サービスに問題があることが多いですので。そもそも新規を集める前にまずリピートできるような商品・サービスを設計しましょうというところを、けっこう地道にやってますね・・・。
そういう意味だとBtoBのECをこれから始めるよっていう場合でも、最初にある程度既存のお客さんが居たほうが立ち上がりやすいかなと思います。
この辺で楽楽B2Bの機能も少しだけ紹介させてください
ー BtoBの画面作りに関して、新商品紹介や企画展開をユーザー毎にトップページで展開したいと思ってます。
取引先ごとに案内する内容を変えたいというお話ですね。
まず会員か非会員かだけでも見せるコンテンツを変えることはできますが、これを取引先ごとに変えたいというケースにも対応できます。ただ1社1社変えるのは結構大変かと思いますので、「販路区分」というグループ分けの機能を使われるといいです。
例えば、楽楽B2Bにバナー管理という機能があってですね、これを使うとバナーの表示条件を細かく設定できます。そこで先ほどの販路区分を使うわけなんですが、例えば取引先が10社あったとして7社は販路区分A、残りの3社は販路区分Bに仕分けをしておいて、バナー管理の表示条件で「販路区分A」を選択していただくと、特定の7社にだけバナーを表示させるといったことが出来ます。
具体的な活用例を公式ブログでもご紹介しています。あわせてご覧ください。
参考:楽楽B2Bでお得意様だけに【シークレットセールバナー】を表示させてみた(楽楽B2B公式ブログより)
けっこうメルマガってバカにできないんですよね
ー 既存顧客へのメールについて、お客様ごとにどの程度個別に細かく設定されていますか?またメールを送る頻度は平均月何通くらいでしょうか?
いい質問ですね!
これも生々しいなあ・・・(笑)
大体、直近の最終購入日があんまりない人とかにセグメントして送ったりとかっていうのはよくやるパターンなんですけども、全配信とかもけっこうやったりします。
あと送る頻度なんですけども、一週間で3~4回送ってます。
おぉー結構送ってますね。
理由としては見る人は見るので。ただやっぱり内容は変えて送ります。
けっこうメルマガってバカにできないんですよね。僕メルマガ1回送って50万とか普通に売り上げ立ちますんで、メルマガって結構大事なんですよ。無料なんですよ(笑)すごいですよ無料なんですよ。
あと最近はどうにかLINEにも誘導していきたいなあということで、BtoB・BtoC含め公式LINEもやっています。やっぱ開封率が全然違うっていうところがありますので。
いやでも週に3~4回って結構な頻度ですよね。
毎日送って嫌がる人とかいないんですか?
やっぱり見ない人は見ないんですよね。で勝手に抜けていきますので、見る人は残っていくんですよね。結構面白いんですよねメルマガって。開封率も見てますよ。BtoBだと15~20%を行ったり来たりしてます。しっかりやると結構いいですよ~メルマガ。
司会:そうしましたらこちらで締めさせていただきます。ありがとうございました。
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