キーホルダーやアクセサリーなど各種パーツをBtoB-ECで卸販売。
インバウンド需要の再興に対応するため、卸売りの自動化を選択。増員せずに利益の最大化に成功。
東京都台東区に本社を構える株式会社大王製作所は、キーホルダーやアクセサリーなどのパーツ販売や、ノベルティ・オリジナルグッズの企画開発を行う企業です。1961年の設立から今日まで、全国の観光地のキーホルダーや携帯ストラップ、神社仏閣のお守り、コンサートグッズ、ジュエリーなど、あらゆる業種に展開をしてきました。近年ではOEMやオーダー商品の開発にも力を入れています。
同社はパーツの卸販売をより効率的に行うため『楽楽B2B』を導入し、2022年2月から運用を開始しました。今回は、営業部の岸波(キシナミ)さんと開発部の竹中(タケナカ)さんに、『楽楽B2B』導入前の課題、導入後にどのような変化があったのかについてお話を伺いました。
- 課題
- ・メールやFAX注文により取引履歴が分散し、参照が困難に
- ・注文内容を販売管理システムに手入力する際に起こる入力ミス
- ・リピート発注の際、同じ内容のメールやFAXを送る必要があり手間がかかる
- 選定基準・ポイント
- ・取引先ごとに売価設定ができるか
- ・リアルタイムで在庫が反映されるか
- ・すでに使っている販売管理システムと連携できるか
- 成果
- ・顧客ごとに取引情報が一元化され、データ参照の基盤に
- ・商品詳細をBtoB-ECサイト上で確認できるため、誤発注が激減
- ・ボタン操作で発注や見積もり取得が簡単にできるように
―――業界や事業内容・従業員数を教えてください。
岸波さん:当社は、キーホルダーや貴金属を含むアクセサリー装身具、ノベルティー、キャラクターグッズなどの部品の開発と製造販売を行う会社です。1961年に設立し、2023年で63期目に入りました。
取引先は全国に約1300社あります。個人事業主の方から団体・企業までさまざまです。観光物産品や手芸、アクセサリー、鞄、ペット関連用品などあらゆる業種で用いるパーツを取り扱っています。
当初はパーツの卸売に特化していましたが、最近ではOEM事業やネット事業も展開しています。
従業員数は33名です。そのうちECサイトのメンテナンスに直接的に関わっているのは1名ですが、周囲の営業スタッフ等も連携しており、運用は皆で行う体制になっています。
―――『楽楽B2B』を普段どのようにお使いですか。
岸波さん:法人・個人事業主向けの「お得意様専用・完全会員制オンラインショップ」として運用しています。
各種パーツや半製品、完成品を取り扱っており、主に大ロットで注文されるお客様が対象です。2022年2月に立ち上げ、現在は約130社に会員登録をいただいています。
『楽楽B2B』で構築したBtoB-ECサイト上では、取り扱う商品点数が3000点を超えました。日頃からどんどん登録しているので、今後も増えていく予定です。
また、価格に関して新規で問い合わせを受けた際、ECサイトの登録データを標準価格としてお伝えしています。このように、データ参照の基礎としても活用しています。
FAX注文からWEB注文への移行案内についても、掛け率の軽減を案内したことによりスムーズに進み、既に顧客全体の50%がWebへ移行することができました。今後も移行率は増加していく見込みですので、とても楽しみですね。
開発部 竹中さん(左)、営業部 岸波さん(右)
メールやFAX注文による「3つの課題」をクリアするために
―――BtoB-ECを始めようと思ったきっかけを教えてください。
岸波さん:営業スタッフの時間の使い方の比重を、既製品販売から製品企画にシフトしようと思ったからです。
実は年々、アニメブームなどの影響でオリジナルグッズの企画製造の需要が高まってきています。オリジナルですから、何を作るかは案件ごとに違います。企画製造の過程では、お客様との個別の打ち合わせや、アイデアを考えるための時間が必要になります。
このような、「人ならではの仕事」にしっかり向き合えるようにするには、ルーティン化しやすい作業の自動化が望まれます。当社の場合は、それが既製品販売でした。すでにできているものの販売ならECで対応できるだろうとのことで、BtoB-ECを始めるに至りました。
―――『楽楽B2B』導⼊前の課題を教えてください。
岸波さん:EC化する前は、既製品の注文をメールやFAXで受けていました。すると、課題が3つ浮かび上がります。
一つ目は、顧客管理です。情報が一元化されていなかったため、顧客ごとの取引履歴が途中で分からなくなるなどのケースがありました。二つ目は、注文の入力ミスです。お客様からいただいたメールやFAXを見ながら販売管理システムに手入力していましたが、品名のアルファベットや数字が一文字違うだけで別の商品になってしまうため、間違った商品を手配してしまうことがありました。
そして三つ目は、お客様の注文時の手間です。特に、同じ商品を定期的に注文する方にとって、その度に同じ内容のメールやFAXを送るのは面倒です。
『楽楽B2B』で受発注をEC化する前には、このような3つの課題がありました。
―――製品を選定したときの基準・ポイントを教えてください。
岸波さん:顧客ごとに売価が設定できることと、リアルタイムで在庫数が反映されること、それから、当社で使っている販売管理システムとの連携ができることです。
卸売ですから、同じ商品でも注文ロット数や取引実績によって売価が異なります。これら「顧客ごとの売価」をECサイト上で再現できるかどうかは、製品を選定する上で最も重要視したポイントでした。
また、EC化する前には、在庫確認のやりとりで時間を費やすことがありましたから、その工数を減らせる機能があることも重視しました。ECサイト上に在庫数がリアルタイムで反映されるような仕組みです。
『楽楽B2B』は、これらの選定基準をクリアした受発注システムでした。さらに、IT補助金が活用できるとのことでしたので、導入することにしました。
ECによる卸売の自動化で、スタッフを増員せずとも全社的な取引数の増加に対応
―――『楽楽B2B』導⼊後の効果をお聞かせください。
竹中さん:『楽楽B2B』で既製品の卸売をEC化したことは、営業活動全般に良い影響を及ぼしています。
ECサイトからの注文数は徐々に伸びており、それに比例して売上も伸びています。一方で、在庫や売価の確認など、これまで発生していた作業は減っていますから、その分の時間を新規開拓の営業活動や、既存顧客へプラスアルファの提案をすることに使っています。
現在、インバウンドの再興で観光グッズの需要が増し、それに用いるパーツの需要も伸びています。また、オリジナルグッズ製作の需要も高まっており、全社的に取引数が増加傾向にあります。とはいえ、当社の従業員数は大きく増やしていません。そんな状況でも全ての受注にお応えできているのは、ECで卸売の自動化をしたからです。
『楽楽B2B』を導入していなかったら、需要の高まりに対応しきれていなかったと思います。
―――取引先の反応はどうでしたか?
竹中さん:「注文時の手間が減った」と好意的な意見をいただいています。
EC化する前は、やはり「在庫があるのか?」「パーツのサイズを知りたい」など、商品に対する諸々の不明点がお客様の中にはあったようです。
それが『楽楽B2B』でEC化をしたことで、商品ページを見れば在庫数やサイズなどの仕様がすぐに確認できます。当社に問い合わせる手間が減り、簡単に注文ができるようになったとのことです。
また、ECサイトですから24時間受付ができます。見積もりもお客様側で簡単に出力できるようになっているため、都合の良いタイミングで発注ができることも喜ばれています。
BtoB-ECは「利益につながる行動をするための時間」を生む
―――『楽楽B2B』に対する評価をお聞かせください。
岸波さん:伸び代という期待を込めて、100点満点中90点です!
システムの機能自体に不満はありません。一番叶えたかった「顧客ごとの売価設定」はできていますし、お客様の利便性も上がりました。
また、『楽楽B2B』は登録数の制限を気にせず自由に商品を追加できるので、私たちのように大量の商品を扱う企業にとっては強い味方です。今後もECサイトで取り扱う商品点数の拡大をしていく予定です。
『楽楽B2B』は多機能ですから、まだまだ活用の余地があると思います。サポートスタッフの方の知見を借りたり、互いにアイデアを出し合いながら、残りの10点を埋めていきたいと思っています。
―――これからBtoB-ECを始める⽅に向けて⼀⾔アドバイスをお願いいたします。
岸波さん:人材や時間など、社内のリソースはそのままに事業を拡大しようとするならば、いち早くBtoB-ECを取り入れた方がいいと思います。
受発注を自動化することで時間が生み出されるので、その分を攻めの営業活動に使うことができます。特に既製品の販売は自動化しやすいためおすすめです。
当社は将来的に従業員数を倍にしていきたいと考えていますが、今のうちから利益を最大化させる体制を築く必要があります。BtoB-ECは、そのための主要な手段の一つとなります。
「利益につながる行動をするための時間を生む仕組み」と捉えて、是非チャレンジしてみてはいかがでしょうか。
―――いろいろとお話いただき、ありがとうございました!
これからも「楽楽B2B」はメーカー・卸売業を行う企業様のDX推進のために、機能強化や外部システムとの連携を進めてまいります。
株式会社大王製作所
所在地:〒111-0021 東京都台東区日本堤2-11-6
代表取締役:田代 肇
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