全国の生協やホームセンター等にオリジナルブランドの卸販売を行う企業が、BtoB-ECを活用。
営業社員の事務作業の時間を50%削減、新規営業開拓へ注力
大阪府に本社を構えるスマイルキッズ株式会社は、プラスチック・電化製品の企画、製造、販売や商品開発・コンサルティング請負などを行う企業です。創業90年以上の旭電機化成株式会社から1995年に分社化し、オリジナルブランド製品の卸販売を行っています。主な取引先に、全国の生協やホームセンター、ドラッグストア、家電量販店などがあります。
同社は、製品の卸販売をより効率的に行うため『楽楽B2B』を導入し、2021年10月から運用を開始しました。今回は、代表取締役の原(ハラ)さん、営業部の水原(ミズハラ)さんに、『楽楽B2B』導入前の課題、導入後にどのような変化があったのかについてお話を伺いました。
- 課題
- ・営業社員が見積もりや商品資料の手配など事務作業に追われていた
- ・担当者が個々で取引先の情報を持っており、売価が管理しきれていなかった
- ・手書きのFAX注文書を見ながらピッキングしていたため、誤発送が起きていた
- 選定基準・ポイント
- ・管理画面の使いやすさ、馴染みやすさ
- ・取引先ごとに売価設定ができるか
- ・物流在庫管理システムと連携できるか
- 成果
- ・営業社員の事務作業にかける時間が50%削減
- ・ECサイト上に商品データを集約。取引先ごとの売価も一元管理できるように
- ・商品コード記載の印字伝票によるピッキングで誤発送が激減
―――業界や事業内容・従業員数を教えてください。
原さん:当社は旭電機化成株式会社の100%子会社で、親会社の方ではプラスチック製品のOEM事業を行っています。
当社では生活便利雑貨のオリジナルブランド「スマイルキッズ」を展開しており、防災・防犯、ベビー・キッズ向け、シニア向け、電材、神具・仏具など幅広いジャンルのアイデア商品を取り揃えています。
社内のみならず地元の学生からもアイデアを募り、社名の通り「お子様が笑ってくれるようなユニークな商品」の開発を心がけています。
従業員数はパート・アルバイトの方も含めると約40名で、明るい雰囲気の中、日々の業務に携わっています。そのうち法人向けのEC事業は4名が担当しています。
アイデアをもとにユニークな商品の開発を手掛けている。SNSで話題になったり、テレビ番組で特集されるほど注目を集める商品も。
―――『楽楽B2B』を普段どのようにお使いですか。
原さん:既存の取引先には「在庫や売価照会ができるオンラインカタログ」として、新規の取引先には「仕入れ用のECサイト」として活用いただいています。段階的に全ての受注・決済を『楽楽B2B』上で行えるようにする予定ですが、今は移行期間です。
既存の取引先の中には従来通りFAX注文を望まれる方もいらっしゃるので、送られてきたFAXの内容を当社でCSVにして『楽楽B2B』に取り込み管理しています。その数は1日に70〜80件ほど、多い時で100件ほどです。
物流在庫管理システムとも連携しており、各商品の在庫はほぼリアルタイムに近い状態で見ることができます。
もう一つ、営業社員が取引先に提出する資料としての使い道もあります。
例えば、取引先から「とある商品の画像や見積もり、説明資料が欲しい」といったリクエストを受けることが度々あるのですが、その際には『楽楽B2B』で構築したECサイトにログインして確認いただくようご案内しています。
営業側と物流側の両方で業務効率化や平準化の課題があった
―――BtoB-ECを始めようと思ったきっかけを教えてください。
原さん:営業社員が新規開拓に充てられる時間を捻出するために、業務効率化が必要だと感じたことです。
営業社員の当時の業務内容は、大半が取引先に向けての資料作成や、リクエストされた商品情報に答えることでした。
在庫数の確認や見積もり作成、商品資料の送付などです。中には営業担当の方が50人ほどいらっしゃる取引先もあり、それぞれに対して説明や教育を行うのに大きな時間を要しました。
また、取引情報が分散していたことも問題でした。営業社員が担当の取引先と個別でやりとりを行っており、過去の見積額や売価の情報が管理しきれなくなっているケースもありました。
そこで、ECサイトを商品データが集約された保管庫=データベース化して運用すれば、この問題が解決できるのではないかと考えました。
―――『楽楽B2B』導⼊前の課題を教えてください。
水原さん:営業効率の他に、物流まわりの課題もありました。
代表取締役 原さん
『楽楽B2B』導⼊前は、取引先から送られてきた手書きのFAX注文書を、そのまま物流倉庫に渡していました。その中には、文字が掠れて読めなかったり、誤字脱字があるものも含まれていました。
すると、出荷作業にムラが出ます。熟練のピッカーさんは読めても新人のピッカーさんは読めず、発送ミスにつながることもありました。出荷作業を誰が担当しても行えるように、視認性の高い伝票が必要だと思いました。
このように、営業側、物流側のそれぞれに業務効率化や平準化の課題がありました。
―――製品を選定したときの基準・ポイントを教えてください。
原さん:ECカートシステムの機能比較をしているWebサイトで情報を集め、5つの製品の中から選定を行いました。
その際の判断基準は、「UIが良さそうなもの」、「BtoB向けの機能があるもの」、そして「機能全般が当社の求める要件や規模感に釣り合うもの」でした。
『楽楽B2B』のUIを見たところ、某有名ECプラットフォームと共通している部分がありました。これならば馴染みのあるインターフェースで使いやすいのではないかと思いました。
また、BtoB向け機能という点では、取引先ごとに商品の売価を設定できる他に、物流在庫管理システムと連携できるかどうかが重要なポイントでした。
全体的に見ても、機能も過剰すぎず、物足りなさも感じないバランスの良いものでした。
水原さん:私は以前、BtoC向けECサイトの店長を10年ほど務めていました。ページ作りから、受注や発送の管理まで、一通りの運用経験があります。『楽楽B2B』のUIにはすぐに慣れることができました。
情報のデータベース化で営業社員の事務作業を50%削減!
発送業務もスムーズに
営業部 水原さん
―――『楽楽B2B』導⼊後の効果をお聞かせください。
水原さん:営業社員の事務的な作業にかかる時間が、50%ほど削減されました。
これまで個別対応していた在庫数の確認や見積もり作成、商品資料の送付などは、全て『楽楽B2B』で構築したECサイト上で行えます。取引先の方に何かリクエストを受けた際には、「ECサイトでご覧いただけます」と案内するだけでよくなりました。その分空いた時間は、新規営業や商品開発に充てることができています。
また、『楽楽B2B』の中にあらゆるデータが集約されたことも大きな変化です。
これまでは、営業社員が個々に取引先や売価の情報を持っていました。そのため情報がブラックボックス化しやすかったのですが、商品システムにデータを集約したことで、全社的な情報管理ができるようになりました。
物流倉庫でも発送ミスが大幅に減りました。『楽楽B2B』から出力したピッキングリストには、商品の型番が印字されます。手書きのFAX注文書をそのまま渡していたときよりも、ピッキング作業の正確性が格段と増しました。
―――取引先の反応はどうでしたか?
原さん:「ECサイトを見れば、いつでも欲しいデータが手に入るから便利だ」と感想をいただいています。
特に、デジタルツールを使うことに慣れている若手の担当者の方には好評です。オンライン上での商品データの一元管理により、取引先も私たちも双方の業務効率が向上できたと思います。
あと小口の取引にも対応しやすくなりました。クレジットカードや掛け払いなど、EC化により決済方法の種類が増えたからです。取引先からしてみれば、銀行口座の開設や振り込みの手間が省けることになります。
今後は卸問屋のみならず、小売店が商品を直接仕入れるために使うECサイトとしても展開できるのではないかと考えています。
BtoB-ECに取り組む際は、社内に専任担当者の配置を
―――『楽楽B2B』に対する評価をお聞かせください。
水原さん:痒い所に手が届いているカートシステムだと思います。満足しています!
特に「同じ商品でも、取引先ごとに違う価格設定ができること」や「取引先ごとに商品の出し分けができること」など、BtoBならではの商習慣がシステム上で実現したのは大きいです。
また、システムが買い切りではなく、定期的にバージョンアップが行われるのも良いですね。どんどん便利になっていきますし、アップデートは無償なのでコストパフォーマンスも高いと思います。
これまで『楽楽B2B』に約1100点の商品登録をしました。取引先ごとに売価が異なるので、価格データは約16000件にのぼります。
今年は何度か一斉の価格改定がありましたが、その変更をSKUごとに行うことができ、非常に助かりました。これくらい細かく管理ができるカートシステムは珍しいと思います。
―――これからBtoB-ECを始める⽅に向けて⼀⾔アドバイスをお願いいたします。
水原さん:BtoB-ECを始めて軌道に乗せるなら、社内に専任の担当者を配置することをおすすめします。
ECサイトの構築から受注・出荷業務まで運用全体を見るまとめ役が1名と、事務側・システム側それぞれに1名ずつ、計3名のチーム体制が理想的ですね。
また、ECサイトは作って終わりではなく、作ってからがスタートです。いかにスムーズに運用を行うか、常に改善しながら取り組むと良いと思います。
原さん:『楽楽B2B』のようなシステムを導入することで営業生産性が向上し、営業社員一人当たりが受け持つ顧客数を伸ばすことができます。よって、運用と同時に、顧客数をどう増やすか?についての戦略も検討することで、ビジネスのさらなる成長が期待できます。
当社の場合、今後は小売店に対してもアプローチをしていこうと考えています。
BtoB-ECを始めるならば、業務効率化によりできた時間の活用もセットで考えると良いのではないでしょうか。
―――いろいろとお話いただき、ありがとうございました!
これからも「楽楽B2B」はメーカー・卸売業を行う企業様のDX推進のために、機能強化や外部システムとの連携を進めてまいります。
スマイルキッズ株式会社
本社所在地:〒537-0003 大阪府大阪市東成区神路4-3-18
代表取締役社長:原 壯太
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